教室紹介

研究室 概要紹介

“教授挨拶”でも述べていますが、私たちの教室では実験病理学と外科病理学の両者をバランスよく習得する事を最終ゴールと考えています。当教室は歴史的に環境物質の毒性、発癌性の発生メカニズムについて研究を重ねて来ましたが、近年ではがん予防・治療に向けた研究に対する比重が大きくなっており、動物、細胞を用いた研究のみならず、ヒト病理検体を用いた解析もすすめています。動物実験から得られた結果をヒト組織で確認し、ヒトにとって有益なデータに還元する実験病理学から外科病理学への実践、病理診断を行っている過程で生まれた疑問・アイデアを抽出して実験動物・細胞を用いて証明する外科病理学から実験病理学への応用など、実験病理学、外科病理学を両輪として研究を遂行しています。

運営方針

臨床

外科病理学を修得するためには数多くの症例に触れ、診断経験を積むことが重要です。当教室では名古屋市立大学病院病理部における病理診断に関わることができるほか、関連病院として名古屋市東部および西部医療センター、緑市民病院、名古屋市厚生院における病理診断、病理解剖に従事しています。また、私たち病理医の一言が患者の治療方針に大きく関わる事が多々あることから、名古屋市立大学病院内で開催される各臨床科との病理カンファレンス(胆・膵内科、内視鏡部、消化器内科・外科、乳腺外科、泌尿器科、産婦人科、脳神経外科、キャンサーボード)にも積極的に参加し、患者情報を共有するようにしています。

研究

発癌機序、癌の進展要因の解明、癌予防・治療法の確立などのテーマを中心に研究を行っています。私たちは今までに発癌物質を用いたラット発癌モデルを開発してきましたが、近年では遺伝子改変ラットを用いて研究を進めています。特に前立腺癌、乳癌、婦人科癌、肝癌、膵癌、膀胱癌などを対象にして研究を進めています。研究内容の詳細については“研究紹介”を参照してください。

未来への展望

実験病理学、外科病理学の両者を習得することで、大学、研究所などで研究に従事するケース、あるいは病院の病理診断科に勤務するケースなど種々の選択が可能です。実際に教室出身の先生方の動向をみると、大学、研究所で活躍されている先生方が多く、病院病理部に進まれた先生方もおられます。また、ごく少数ですが、臨床科に移られた先生もいます。教室で研究・診断に従事している間に本当に自分がやりたいことを見出し、将来の進路を決める事ができます。また、活躍されている先輩の諸先生と密に交流しているため、いろいろと相談をしたり助言をもらえるのも、私たちの教室の魅力の1つです。